だれもしらない

 
養護学校の生徒の学童にお手伝いに行ってます。ほんのちょこっとだけど。
自閉症の子どもが1人いて、たいていは決まった場所に座って爪を噛んだりしてる。バランスボールがお気に入りで、奇声を発しながらボールのうえではずむほかは危ないこともしないので手が掛からない、だけどどう接していいかもわかんない。
ときどきは隣に座って名前を呼んでみたり。退屈じゃないかな、とか思ったりもする。*1
言葉は出ないし視線もくれない、しかたないし隣に座ってぼーっとしてたら、ちょこんと手の甲をつっつかれた気がしたのだけど、いったいなんだっただろ意思的かどうかもびみょーだし、ほんの偶然に触れたみたいだけど??とか考えてるうちにぷいと行ってしまう。うー、たしかめてみたかったので少しあとでこんどは私がつっついてみたら同じ動作を返してくれた。
ちょん、と手の甲をつっつく、それだけ。
でもちょっとわかったと思う。「あのね」とか「うん」とか、そゆう感じ??
帰り際も「ばいばい」とつっついてみたら、やっぱりちょんと返してくれた。
 
 
 
 
「私たちは、世界観がちがう」て言われたこと思い出した…
げ、世界観てなんだよって思いながら、傷ついたくせにどこか救われてるみたいな自分がいやだった。そのひとは先天性疾患の患者で、「でもいいんですよ」と言ってた。そうかもしれない、いまでもわからない。
自閉症のゆーちゃんが見ているものを私は見ることができないだろな、と思う。教えてももらえない。だけど、ちょんとつっついてくれて隣に座ってるのを「でもいいんですよ」と言ってくれたみたいで、うれしかったです。
 

*1:だれもしらない』の「あんな子、なにがたのしみで生きてるのやろ」て視線と、そう遠くないんだろなってわかってはいるけれども。とてもおとなしい、なにか服薬していると聞いてるけどそのためかどうかはわかりませんです。