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地裁で和解したHIV訴訟とはちがって5つの地裁判決があることがむずかしくさせているなら、裁判での解決である以上(ここまでなんの方策も出ていないし裁判以外の道はなかったからとはいえ)しかたないのかな、とは思っていました。厚労相の「勝てたとしてもここまでの救済はない」との発言は(被告としてはどうかとは思うけれども)このまま判決が出ればそのとおりとも思います。
だけど原告は譲れなかった。
それを、責任を認めさせることに固執しているだけでほかの肝炎患者救済にはつながらないと批判するのはおかしくないですか。血液製剤による感染はC型肝炎患者のごく一部であって、感染経路がはっきりしないひとも多いとされているし、輸血では厳しくなったスクリーニングをすり抜けていまになっても感染事故は起きているのだし、感染経路にかかわらずすべての肝炎治療に公的支援するべき、というのは、私もそう思うけれども、だからといってこの裁判の原告が、それをこの裁判で訴えなければいけないというのはちがうでしょ。
一律と言ったって血液製剤由来の、投薬証明が取れて提訴できる患者だけのものじゃないか、と言うけれども、社会的正義や理念のためでなく自分たちの権利のために提訴する、それ以上の救済策を求めることを原告に負えなんておかしいでしょ。しないと責められるべきことですか…


国の責任が認められたのは限定的というのはわかるけれども、だからと言ってその後の対応があまりにマズいのもしかたないなんて私は思わない。
どうしてなんだろ。「そんなに金が欲しいのか」と言われるのがこわくて認定申請できなかった。補償金を受け取れば「家を建てて」「ぶらぶらしてられてよかね」と冷たい目で見られた、敗戦から立ち直り始めたころの、貧しい漁村みたいだ。


ん、今度は、リソースは有限、そう批判されちゃうのだろうけれども…

http://b.hatena.ne.jp/entry/http://news.goo.ne.jp/article/sankei/nation/m20071227016.html